ソメイヨシノの起源や由来は?クローンで良いことと困ること!分布と特徴も

投稿日:2018年2月3日 更新日:

桜と言えばソメイヨシノ、ですよね!

でも、ソメイヨシノって日本の何割くらいの桜を占めてると思いますか??

ソメイヨシノの割合は、全国で約8割なんです。

桜=ソメイヨシノくらいに考えている人も多いかもしれませんが、桜の品種はなんと300種類以上もあるんですよ!もはや把握できないくらい多いらしいです。

そう考えると、やっぱりソメイヨシノの割合ってすごい!(´∀`*)

ソメイヨシノ以外にも素敵な桜はもちろんたくさんありますが、今回はソメイヨシノがここまで広まった起源や由来、分布、特徴などを見ていきましょう。

植わってるソメイヨシノが全部ぜんぶクローンだった!?っていう話も>< クローンになった理由、気になりますよね(笑)

クローンで困ることとかも、意外にあるみたいですよ~。

ソメイヨシノの起源は名前の由来から分かる!?

「桜」のという名前の由来は、花の咲く木、咲く等というところから来ているという説がありますが、ソメイヨシノってちょっと変わった名前ですよね。

由来を知れば、ソメイヨシノの起源が分かってくるかも!

ソメイヨシノの名前の由来

明治初めに、染井村(東京都)の植木屋が「吉野村(奈良県)から採ってきた」と言って売り始めたという起源が、「染井吉野(ソメイヨシノ)」の名前の由来という説。

って、本当は吉野村の桜は吉野桜という山桜の品種で、ソメイヨシノとはまったく関係ないんですが(^‐^;)
奈良県が桜の名所だったから、そう言っとけば売れると思ったのかな。

ならソメイヨシノは元々どこ起源の桜なの??というと、韓国の漢拏山というところが原産だったらしい、というオチ…。

この時点で複雑なソメイヨシノの由来ですが、なんと、この説が間違いではないか?というのが今の風潮みたいです。

ソメイヨシノの起源と由来の誤解??

韓国の桜の品種とソメイヨシノは全然違う!ソメイヨシノは純日本産だ!!

という説が…。ややこしい(・’・;)

ソメイヨシノの起源が日本由来だったらもちろん嬉しいですが、そもそもソメイヨシノを売り出した人がどこから持ってきたか、普通に名前につけとけばよかったのでは。。

まぁ、ソメイヨシノが吉野村産じゃなくても、染井村で売られ始めた起源は本当みたいなので、
染井村のあった地(今の巣鴨あたり)では「ソメイヨシノの由来の地」としてそこここの建物に桜やソメイヨシノの名前が入ってたりします!(温泉とかね)

桜 クローン 起源

なぜソメイヨシノがここまで広まった!?その起源とは

ではなぜ数ある桜の一品種であるソメイヨシノがこんなにも広まったのかというと、

  • 比較的丈夫で育てやすい
  • 花が美しい

というのが主な理由になります。それぞれ見ていきましょう。

ソメイヨシノは丈夫で育てやすい?

ソメイヨシノは天狗巣病などの病気には弱いとはいえ、基本的には桜の中では丈夫な種類なので育てやすい、育ちも早いという点も気に入られたようです。

花を育てる方からしたら、早く花期を迎えてくれた方が嬉しいですよね^^

また、ソメイヨシノは挿し木で比較的簡単に増えてくれるのも魅力なんです。
とはいえどこでも勝手にどんどん増えてくれるわけでもなくて、一度桜が植わっていた場所では育たない、という特徴もあるので注意しなければなりませんが…^^;

(そのせいでかつての桜の名所が、桜が枯れたのち衰退してしまう危険もあります。)

ソメイヨシノは花が美しい!

ソメイヨシノの花は時期をずらさず一斉に咲くし、本当に見事な見栄えですよね(><*)

薄紅色のあふれんばかりのソメイヨシノの花を見に、大勢の人が観覧にきます。

ではなぜソメイヨシノは、その土地での時期が来ると、計ったようにその土地全体で一斉に咲くのでしょうか??

ちょっとくらい咲き遅れてるソメイヨシノってのも、あっても良いんじゃ・・?

ソメイヨシノは全てクローンだった!!

ソメイヨシノ・・・びっくりするかもしれませんが、全部全部クローンなんです・・・!!

元々は一つの木で、挿し木か接木で増やしたものなんですよ。ものすごくないですか??手間暇が・・。

あんなにたくさんのクローンがあってたまるか!って思うかもしれませんが、クローンなんです。

クローンで良いこともあれば、悪いこともあるようで><
ソメイヨシノが抱える苦悩とは??

一斉に咲き誇るのはクローンだから

桜前線が来て、その地域一帯でソメイヨシノは一斉に咲き誇りますよね!

その理由は、クローンだから。同じ刺激で同じスピードで咲く、これがクローンの特徴なんですね。

クローンだからこそ盛大になる景色を、見ようとみんなが集まる。

みんなが集まって、大きなお花見の会場や桜のお花見の分化ができる・・・、こうして、桜は日本を代表する花になったのではと思います(´ω`*)

なんたって、日本の国花は桜!!  と、菊。(こそっ

クローンだからソメイヨシノ同士では実はできない

自分と同じ遺伝子をもつクローン同士で子どもを作っても、ある一つの病気とか寒さとかに弱いって特徴をもってたら一度に全滅しちゃいますよね(・_・`)

ってことで、ソメイヨシノは「自家不和合性」という特徴を持っています。

(すでに日本各地でクローンだから、この特徴はもはや身をほろぼすだけのような気もしますが・・・)

これのおかげで、どんなに近くに、どんなに密接してソメイヨシノが植わっていようとも、ソメイヨシノ同士では実をつけません。

実がなければ種もない、子孫を残さないってことですよね。

あんなにソメイヨシノの花があるのに、さくらんぼが出来ないなんてもったいない!(ノд`)ノ・。

じつは、近くに違う品種があれば実は出来る

とは言っても、実際頻度は少なくとも、よーく見るとソメイヨシノに実がなっていることがありませんか?

わたしは見たことあります。

その原因って、ソメイヨシノはクローンのソメイヨシノ同士だと実は出来ないってだけで、違う種類の桜とだったら実はできるからなんです!

ソメイヨシノの近くに違う色や形の桜が植わっている場合、実をつける可能性はあります^^v

ソメイヨシノの実はいつも食べてるさくらんぼとは違い、美味しくはないので注意!!

ソメイヨシノ 実できない クローン

ソメイヨシノの小さな実

ソメイヨシノの分布

ソメイヨシノの分布は、主に日本の北海道と沖縄以外の地域です。

北海道の南部ではソメイヨシノが見られたりもします。
沖縄では、ソメイヨシノの代わりに「桜と言ったら寒緋桜」なのでこれもまた綺麗です!濃いピンク^^

ソメイヨシノは日本の広い地域に分布していますが、どちらかと言ったら東側に多い様子。
ソメイヨシノ発祥の地も関東ですからね。

ちなみに、桜は日本以外にも中国などのアジア地域に多く分布しています。

西洋ではセイヨウミザクラなど、美味しい実がなるさくらんぼの木が需要があって植えられている傾向にあります!

ソメイヨシノ 実 さくらんぼ

やはりソメイヨシノなどの観賞用の桜は日本がもっとも分布地域となっているので、「春と言えば桜」が成り立つ。
つくづく日本に生まれてよかったな・・って思います(*´ω`*)

ソメイヨシノや生みの親の特徴

桜を代表すると言っても過言ではない、ソメイヨシノの花の「特徴」を見てみましょう!

それに、ソメイヨシノを作った両親たちの特徴も・・!

ソメイヨシノの花の色

まずソメイヨシノの花の色、そんなのピンク色でしょう!って思うと思いますが、
確かにそう、薄紅色なんですが…

実は途中、白色をしているんです!

へ?って感じですが、ソメイヨシノの花は薄紅色~白色になり、また薄紅色となって散っていきます。
ずっと同じ薄紅色じゃなかったんですね…(笑)

また、土地によってもソメイヨシノの色は違ったり、樹齢を重ねるとだんだん白っぽくなっていくことも知られています。

ソメイヨシノを見て「あれ??思ったより白い…?」と思う人も少なくありませんよね?実は私たちのイメージの桜より、実物はもっと「白に近い薄い紅色」なんです。

桜モチーフのイラストとか雑貨とかって、皆鮮やかなピンク色で誇張されてますものね。それも可愛いですけど^^

ソメイヨシノの花径

桜は花径(花の大きさ)が品種によってまちまちですが、ソメイヨシノは3.5cmほどで中くらい~やや大きめと言えます。

大体桜の花は4cm以上あれば大輪、2cm以下くらいだと小輪って感じの位置づけですかね。大体ですが。

ソメイヨシノの「親」の特徴は?

ソメイヨシノってのは実は「交配種」でして、エドヒガンオオシマザクラという桜(原種)から生まれた桜なんですよ。

エドヒガンザクラ ソメイヨシノ 起源

エドヒガンザクラ

それぞれの特徴は、エドヒガンは花の色は白よりの薄紅色、花びらの数も5枚でソメイヨシノと一緒ですが、花径は1.5~2.5cmの小さくてとってもかわいらしい花です。

ちなみに葉も小さく、毛が多いのが特徴ですね。ざらざらするので桜餅の葉っぱにはできません。

オオシマザクラ ソメイヨシノ 起源

オオシマザクラ

オオシマザクラは白色の花を咲かせ、花びらはやっぱり5枚。
花径は4~5cmなので、桜の中では大輪の部類に入ります!ソメイヨシノは親たちのちょうど中間くらいかな?

大きな葉っぱで尖っていて、毛がないのが特徴です。ので、桜餅にはもってこいですね!実際、主に使われています(=´ω`)

好きな花上位も桜、好きな和菓子も桜餅・・・和菓子は1位かもしれない。
という魅力的な桜の話でした!

「ソメイヨシノの起源や由来は?クローンで良いことと困ること!分布と特徴も」まとめ

なんか上で既にまとめた感もありますが、ソメイヨシノの起源とか由来とか、実はクローンで苦労していることとか・・・、色々とお話しました!

お花見に行ったり、ふとソメイヨシノを見かけたりしたら、この子たちも頑張って生きているんだな・・・と思ってあげてくださいね。

ソメイヨシノたちだけではなくて、人間も立派なソメイヨシノの見られる地を守ろうと頑張っています。

ソメイヨシノは桜の中でも丈夫な種類だと書きましたが、桜は人間の手が入らないとなかなか立派には咲けないもんです・・。病気になったり、幹がぼろぼろになったり、花が少なくなったり。

綺麗なソメイヨシノは、みんなの努力の証でもあるんですね^^

参考文献
ものと日本の分化史 桜Ⅰ 有岡利幸著 2007.3.22
ものと日本の分化史 桜Ⅱ 有岡利幸著 2007.3.22
よくわかる栽培12か月 サクラ 船越亮二著 2011.1.15

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