みなさんの周りには、「虫絶対ダメ!!蛾なんてもってのほか!」「だけど蝶は好き」なんて人は、いませんか?(笑)
なぜか蝶は色々なモチーフやデザインにも使われている人気者なのに、蛾は嫌われ者…。
見た目の形とかサイズとか、すごく似ているのに…この違いはなんなのでしょう?(・_・;)
まぁ蝶と蛾は、なんとなく雰囲気は違いますよね…。
可愛い蛾も、いるんですけどね。
今回は、蝶と蛾のイメージがここまで違う「決定的な違い」はあるのか、どんな違いなのかをまとめていきたいと思います!
ちなみにうちの母も大の虫嫌いで、「蛾は一番嫌い!飛ぶから嫌」なんだそうですが、蝶の形の高価な置物は大のお気に入りで、何十年も玄関に飾っています(笑)
…いや、蝶も飛びますやん!( ̄▽ ̄;)
目次
蝶と蛾の分類の違いはない?同じ種類の仲間だった!
イルカとクジラの違いは大きさだけで厳密な違いはないだとか、そんなような感じで、実は蝶と蛾の違いも特にはないんです。
どういうことなのか、分類から蝶と蛾の違いを見てみましょう!
蝶と蛾の分類!種類数には大きな違いが
蝶と蛾の違いを、生物学の分類から見てみると、実は「同じ種類の仲間」なんです。
蝶と蛾は同じチョウ目(鱗翅目ともいう)に分類されるのですが、チョウ目のほとんどが「蛾」。その中の、蛾から派生した一部の系統が「蝶」と呼ばれています。
もともとは蛾で、進化の過程で様々な種類ができる中で「蝶」が産まれた…ということですね。
なので、種類数にもとても差があります。
日本には蝶は240種類、蛾は5,500種類もいると言われているんです…!!
蛾多いですね…蝶と20倍以上も違いますΣ(゚口゚;
世界的に見ても、蝶は約18,000種類と言われていますが、その20倍か30倍も蛾の種類がいます…。
蝶と蛾の違いや見分け方は曖昧…一緒にしている国も
日本では「蝶」と「蛾」って、はっきり呼び分けていますよね。
英語でも蝶は「butterfly」、蛾は「moth」と区別しています。
だけど、蝶と蛾の違いはとても曖昧。蝶のような蛾もいるし、蛾のような種類の蝶もたくさんいます。
中には中間のような存在も…。
そもそも、生物が徐々に進化していくんだから、人間の都合ではっきり線引きできるものではないのです。
ということで、蛾と蝶は同じ分類だ!として区別をしない国まであるんですよ。(ドイツ、フランスなど)。
とはいえ、日本では蝶と蛾は全然違うものとされているので、ここからは日本で使える「蝶と蛾の見分け方」を紹介していこうと思います!
蝶と蛾のとまり方の違い!羽が閉じているかで見分けよう
まず、わたしが小さいころから教わって、ずっと意識してきた「蛾の蝶のとまり方の違い」。
中には紛らわしい時もありますが、大体はこの見分け方で蝶と蛾を見分けることができますよ(`・ω・)
蝶は羽を閉じて、蛾は広げて休む
花やどこかにとまっている時の蝶を観察してみると、羽が立って閉じています。
それとは違い、蛾は羽を広げてとまるのが見分け方のポイントです。
ですが、中には日本にもいるタテハチョウの仲間など、羽を広げてとまる蝶の種類もいますので、その時はこの見分け方で見分けることができません…。
格好いいルリタテハなんかもそうです。
日光浴をしている時の蝶は見分けられない
蝶は羽を閉じてとまるのが蛾との違いだと説明しましたが、蝶も時として羽を広げてとまっていることがあります。
それが、日光浴をする時。
蝶は体温を上げるために、お日様の光を受けようと羽を広げてじっとしていることがあります。
道路で「死んでるのかな!?」と思っていると違って、急に羽ばたいてびっくりすることも(´∇`;)
色の違いでの見分け方!蝶はカラフル、蛾は地味めな色合い
よくあるイメージとして、蝶はカラフルで綺麗、蛾は地味な色合い…という違いで見分けている人も多いですよね。
もちろん茶色い種類の蝶もいるし、色とりどりでカラフルな蛾もいるのですが、あながちこの見分け方も当たっているんです。
その理由は、次の「活動時間の違い」で解説しますね╭( ・ㅂ・)و̑
ピンクと黄色で、本当に実在するの!?と思うほど可愛らしいです。
あとは世界一美しい蛾と言われる種類がニシキオオツバメガ。
オオミズアオ、オオスカシバなんかも綺麗で個性的で、人気の蛾ですね♪
蝶と蛾の活動時間の違い!見分け方は昼行性か夜行性か
蝶と蛾は、活動時間が違います。
蝶は昼間に花畑で飛んでいるイメージですし、蛾は夜に電灯に集まっているイメージ…。そう、その通りなんです。
昔いた田舎のアパート、マイマイガっていう蛾が大量発生して夜にうじゃうじゃ飛んでて…気持ち悪かったなぁ~(^^;)
蝶は目が進化して、昼間に進出していったグループなので、蛾と違って昼間に活動できるんですね。
まぁ、この見分け方にも少し例外がいまして、ワモンチョウの仲間が夜にも活動します。
フクロウチョウなんてのもいて、見た目がフクロウそっくりなんですが、行動時間もフクロウと同じ夜行性という面白い種類の蝶ですね!
ちなみに、ドイツでは蝶と蛾は基本区別せずに「falter」と呼ぶんですが、活動時間の違いで蝶は「昼の蝶(Tagfalter)」、蛾は「夜の蝶(Nachtfalter)」なんて呼んだりもします。
触角の形の違い!蝶は可愛いけど蛾はいろいろ
蝶と蛾の見分け方として、触角の形の違いを見るもの有効です。
特に、日本ではこの見分け方でほぼ蝶と蛾を見分けることができます^^
図のように、触角の先の方が丸まって、マッチ棒のような形になっているのが蝶。
ふさふさとクシ状になっていたり、先が膨らんでいるように見えても先細って折れていたり、触角全体がふにゃふにゃと曲がっていたりするのが蛾です。
いかにもクシ状のは蛾っぽくて、ちょっと「うっ…」て感じですよね…(`・ω・;)
(蛾のクシ状の触角は、メスのフェロモンを感じ取る大事な働きがあります!)
ただし、セセリは蝶の仲間なのですが、先端が蛾の触角のように折れ曲がっています。
銅の太さの違いで見分ける!蝶は蛾よりも細い体つき
蝶や蛾はどうしても羽に目が行ってしまいますが、体の方を見てみると確かに違いがあります。
蝶の方がほっそりとしていて、蛾はずんぐり丸っこい傾向となっています。
確かに、なんとなく蛾の方がたくましい、蝶は華奢なイメージがありますよね!
ただし、これも例外が多く、完全な見分け方とはいきません。先ほども出てきたセセリなんかは、体がちょっとふくよかですしね。
セセリというのは国や専門家にもよって、蝶なのか蛾なのか考え方が分かれるそうなんですよ。
セセリ…、可愛い蝶だと思って今まで見てきたんですけどね(ノд`*)
蝶と蛾の幼虫を間違えて育てちゃった…なんて人も、案外多いのでは!?
蝶と蛾の幼虫の違い!毛虫か芋虫か、繭を作るかなどに注目
これも完ぺきな見分け方ではないですが、蝶の幼虫はイモムシ、蛾の幼虫は毛虫、という大体の違いがあります。
毛のようなトゲトゲが生えている蝶の幼虫もいますが(ルリタテハなど)、あくまでもトゲトゲなので、ふさふさとした毛ではありません。
イモムシから蛾になる種類もありますが、毛虫の場合はほぼ蛾と思ってもらえれば間違いないかと…。
気持ち悪かったですが、「蝶かもしれないし…」と思って我慢しました。やっぱり蛾だったんですね( ̄▽ ̄;)
サナギの状態を見ることはあまりないかもしれませんが、繭を作るものは蛾の可能性が高い、という違いもあります。
と、いうことで、以上が「分かりやすい蝶と蛾の違い」でした!
「蝶と蛾の違いと見分け方!分類に違いはない?幼虫や触角、鱗粉、種類数は?」まとめ
他には翅棘の違いだとか、鱗粉の違いだとか、専門的な見分け方もありますが…これも特に確実な見分け方でもないので、省略しました。
顕微鏡やルーペで観察しないといけませんし、確実でもないならしなくていいかなと^^;
蝶と蛾は明確な違いがあるわけではなく、専門家の間でどっちなのか揺れ動いてる種類もいるくらい。
あくまでもビシッと線引きできるものではないのですね。
蝶っぽい蛾、蛾っぽい蝶、色々といますが、そういう多様性もおもしろいですよね♪
ほとんどの蝶と蛾が、今回まとめた違いで見分けることができますので、ぜひ皆さんも見分けてみてください!
また機会がありましたら、お立ち寄りください♪